有効求人倍率の数字はあくまでも目安
時折ニュースや新聞で「有効求人倍率」という言葉を見たり聞いたりしますね。景気の目安となるデータの一つです。
有効求人倍率は、全国のハローワークの求人と求職者(仕事を探している人)のデータを元に算出されて、定期的に厚生労働省より発表されています。
計算式は、以下の通り。内容は非常にシンプルです。
有効求人倍率 = 月間有効求人数 / 月間有効求職者数 ※単位は「倍」です。
※月間有効求人数 = 先月から繰り越された求人数とその月に発生した新しい求人数を合計したもの
※月間有効求職者数 = 先月から繰り越された求職者数とその月に発生した新しい求職者数を合計したもの
有効求人倍率が1倍を超えた場合は、求職者に有利な状況、いわゆる「売り手市場」、逆に1倍を下回った場合は、求人者(会社)に有利な「買い手市場」ということになります。
ちなみに平成30年7月の有効求人倍率は全体で1.63%。現在は正に売り手市場ですね。求職者1人に対して、1.63の仕事がある状況です。
平成21年(有効求人倍率 年間 一般0.45倍)を底として、この数年間、緩やかな上昇傾向にあります。
特に人手不足が深刻なIT業界、医療介護業界、飲食サービス業界、建設業界では、各職種ごとの有効求人倍率は2倍以上となっています。
ところで、
これまで説明した通り、求人有効倍率の算出根拠データは全国のハローワークのデータのみで、民間の人材紹介会社や求人サイトを利用する会社や求職者のデータは一切反映されていません。
現在、毎日のように見る転職サイトや人材紹介会社のテレビコマーシャルやバナー広告。30歳台前半までの求職者や転職希望者の多くは、ハローワークではなく、これら民間の転職サービスを利用しています。
この状況を踏まえると、有効求人倍率は、労働市場全体を捉えたものでないことが容易に推測出来ます。
今後は、正確に労働市場全体を捉えて、雇用のミスマッチの解消等の雇用対策を効率よく進めていくためにも、民間の求人、求職者、転職希望者のデータを取り入れた精度の高いデータを算出することが必要不可欠となってくると思います。