妊婦加算について思うこと
小泉厚労部会長が提言した【妊婦加算の廃止】ですが、元々は妊婦に対する適切な診療サービスを医師が行うことを目的に導入された制度。
制度そのものは決して悪いものではないですが、問題は、その特別な医療サービスにかかる診療報酬額、そして妊婦である患者の自己負担額が適正かどうかであるということ、そして、その診療報酬に見合った妊婦に対する然るべき診療が行われているかどうか、そして、その診療が適切かどうかの評価が適正に実施されているかどうかということ。
少子高齢化が加速する中、社会保障制度も医療、介護、年金にかかる保険料収入、税負担の限られた財源の中で、それらにかかる医療費、診療報酬、介護費、介護報酬、年金原資等の費用を適正にバランス良く配分していかなければなりません。
正にパズル合わせですが、一つのパズルをはめようとすると別のパズルが合わなくなるというような・・・
妊婦加算を廃止すれば、診療報酬が減額されることになりますが、高齢化の加速とともに医師不足が更に社会問題になっていかことが予想される中で、労働市場で売り手市場となる医師の報酬を下げる要因になり得るものなので、妊婦加算の廃止は、そもそもの診療報酬改定も含めて慎重に議論を行うべきだと思います。