2020年4月の改正労働者派遣法改正の施行により、人材派遣会社で働く派遣社員にも退職金が支払われるようになります。働き方改革の目玉である【同一労働同一賃金】の流れです。

現在、一般企業で契約社員やアルバイトに退職金を支払う企業はほとんどありません。また、ベンチャーIT企業では、そもそも退職金制度を導入しないところも多いです。そんな中での今回の派遣社員の退職金導入。個人的には、効果より混乱が生じるのではないかと危惧しています。

今後、一般企業で契約社員やアルバイトで働くより、人材派遣会社で働く方が待遇が良いという理由で、一般企業を退職し、人材派遣会社に登録する人も増えるのでしょうか？

一方で、当然に人材派遣会社は派遣社員に退職金を支払うために、派遣先企業に請求する派遣報酬を値上げをせざる得ない訳ですが、コスト増の理由で直接雇用に切り替える派遣先企業も増えると考えられます。

最低賃金も東京、神奈川では時間当たり1000円を超えて、強まる売り手市場の中で、今後、労働市場がどのように変化していくのか想定し、各企業は必要に応じて要員計画、採用方法、人事制度の見直しを行っていかなければなりません。